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同じ空母艦上機として零戦と対決:グラマンF4Fワイルドキャット

沿って mobilephones 28/01/2023 531 ビュー

F4Fワイルドキャットは「グラマン鉄工所社製(グラマン・アイアンワークス)」という通称で呼ばれることもある頑丈な戦闘機だったが、この渾名(あだな)は、本機の後継機となったF6Fヘルキャットにも与えられている。

 同じ空母艦上機として零戦と対決:グラマンF4Fワイルドキャット

珊瑚海(さんごかい)海戦、ミッドウェー海戦などの艦隊航空戦で火花を散らし、太平洋戦争序盤の零戦の最大のライバルといっても過言でないF4Fワイルドキャット。その性能、戦歴をコンパクトに紹介する。 1930年代中旬、折から単葉単座の新しい艦上戦闘機を求めていたアメリカ海軍は、グラマン社とブリュースター社の試作機のうち、後者の機体をF2Aバッファローとして採用した。しかし前者の機体も捨て難かったので、F4Fワイルドキャットとして採用されたのだった。そして太平洋戦争が始まると、バッファローは零戦にまるでかなわなかったが、ワイルドキャットは戦い方によっては零戦に勝つことができた。 運動性に優れた零戦が防弾防御を備えていなかったのに対して、ワイルドキャットは頑丈で損傷にも強かった。そのため、空戦で零戦に手ひどくやられたにもかかわらず、何とか帰り着くことができた機体も少なくない。 ワイルドキャットと深い関係にあるのが、ジョン・サッチ(最終階級:大将)だ。本機が1機では零戦にかなわないことを知ると、彼は本機を2機で1ペアー(これをセクションと呼ぶ)にし、それを2組、つまり2ペアー(これをディヴィジョンと呼ぶ)としたうえで、1機の零戦と戦う空戦術を編み出した。 当時、日本の空中無線電話器は性能が劣悪でほとんど使えなかったが、アメリカのそれは優れていた。そのせいで、零戦は単機で戦うのが当たり前だったが、サッチは空中無線電話で連携をとりあった4機が、1機の零戦と戦うことにしたのだ。 まず1セクションが零戦を攻撃している間、もう1セクションはそれを掩護(えんご)する。そしてもし零戦がその1セクションの攻撃を逃れたら、掩護していた1セクションが代わって攻撃を加える。つまり、2機が攻撃して2機が掩護するという機動を繰り返す空戦術で、発案者のサッチ自身は当初、これをビーム・ディフェンスと呼んでいた。 しかしのちにサッチの発案に敬意を表したアメリカ海軍は、この空戦術をサッチ・ウィーブと呼ぶことにした。以降、サッチ・ウィーブはさまざまな改良が加えられ、ワイルドキャット以外の戦闘機でも使用されるようになった。それに加えて、性能向上型のFM1やFM2というワイルドキャットの改良型が登場したが、いずれも性能が向上しており、それとは逆に、戦争の進捗によってパイロットの質が低下した零戦は、外見的には類似したこの後期型のワイルドキャットに撃墜されることも少なくなかった。

白石 光

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