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アップルがアプリ追跡制限後、広告費がiOSからAndroidにシフトしている噂

沿って mobilephones 13/08/2022 670 ビュー

アップルがiOS 14.5でアプリトラッキング透明性(App Tracking Transparency、以下「ATT」)、すなわち「アプリが異なるWebやアプリをまたいでユーザーを追跡する際には、ユーザーの明示的な許可を得なければならない」仕組みを導入してから数か月が経過しました。それによりiOSユーザー向けモバイル広告の価格は下がり、Androidユーザー向け広告費は高騰しているとの噂が報じられています。

The Wall Street Journalの報道によると、アップルがiPhoneとiPadにATTを導入して以来、広告主は支出パターンを変え始めたとのことです。

「デジタル広告主は、iOSデバイス向けのモバイル広告を効果的にし、その価格を正当化していた細かなデータの多くを失ったと言っています。ここ数ヶ月、広告主はiOS向けの広告費を以前よりもはるかに少ないターゲットで展開していると、マーケティング担当者やアドテクノロジー(広告技術)企業は述べている」と伝えられています。

デジタル広告代理店のTinuiti Inc.によると、同社のFacebook広告クライアントは5月にはAndroidユーザー向け費用を前年比で46%、5月には64%も増やしたそうです。かたやiOS向け広告費は5月の(前年比)42%増から6月は25%増へと減速しているとのことです。

さらにAndroid向けの広告価格は、iOS向けよりも約30%高くなっているとも述べられています。もっとも「無料でアプリを使い続けたければ追跡を許可するように」と呼びかけるほどATTを警戒していたはずのFacebook向け広告費は、少なくともTinuitiの顧客については全体的な支出が減るどころか増加しており、それはAndroid向けの大きなシェア獲得でもたらされたと示唆されています。


 アップルがアプリ追跡制限後、広告費がiOSからAndroidにシフトしている噂

そしてFacebookビジネスの中核をなしているInstagramとFacebookアプリへの広告費も、アップルのATT導入後に減少しているものの、他のサードパーティアプリほどではないとのことです。

なぜかといえば、Facebookはこれまでデバイス識別子(ATTにより取得が制限されるIDFA)に大きく依存していた広告追跡ツールAudience Networkを大幅に変更したことが一因の模様です。WSJによれば、Facebookは先週メールで広告主に対し、特定の識別子が利用できない場合でも関連性ある広告(いわゆるターゲティング広告)を提供し続ける方法として、時間帯やアプリの内容などを考慮したコンテクスト広告を掲載する機能を追加すると伝えたとのことです。

iOS 14.5配信とともにATTが実施された直後、米国ではユーザーの96%がアプリ追跡を無効にしたとの調査結果がありました。その後にPost-IDFA Allianceが一部の広告主がiOSへの出費を減らしてAndroid向け広告費を増やしていると発表し、iOS向け広告価格が暴落しているとの報道もありましたが、それらをWSJ報道が裏付けた形です。

FacebookはアップルのATTに対して独禁法訴訟を準備中とまで噂されていましたが、フタを開ければiOS向けの収入減も抑えられ、それを補ってあまりあるほどAndroid向け広告の収入が増えているようです。

莫大な開発資金や技術力もあるFacebookのようなハイテク大手ともなれば、アップルの対策にダメージコントロールを講じるのも難しくなく、モバイル市場全体ではプラスに転じさせることさえできそうですが、それほどの力を持たない中小企業が苦戦を強いられるのかもしれません。

Source:The Wall Street Journal

via:9to5Mac

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