2021年1月から2021年12月中旬までに発売されたスマートフォンの中からベストな機種を選出する「スマートフォン・オブ・ザ・イヤー2021」。2021年は「ハイエンド部門」と「ミッドレンジ部門」に分け、各部門で5機種ずつ、最終的に各部門で1機種を選定します。
審査員がノミネート候補に挙げた機種のうち、各部門で上位5機種をノミネート機種として選定し、この中から1機種ずつを、2021年のベストスマホとして選びます。2021年のノミネート機種は以下の通りです(アルファベット順)。
ハイエンド部門
AQUOS R6
Galaxy Z Flip3 5G
Galaxy Z Fold3 5G
Pixel 6 Pro
Xperia PRO-I
ミッドレンジ部門
AQUOS sense6
Mi 11 Lite 5G
motorola edge 20
OPPO Reno5 A
Redmi Note 9T
審査員は、ITmediaなどで活躍し、1年間を通じて携帯電話業界を取材してきた石川温氏、石野純也氏、太田百合子氏、佐野正弘氏、島徹氏、房野麻子氏、村元正剛氏、山根康宏氏、ITmedia Mobile編集部の計9人。
選考委員は、ハイエンド部門とミッドレンジ部門で各25点の持ち点を配分して投票します。1位の機種には10点、2位以下の機種には1機種9点を上限として残りの15点を自由に配分できます。審査員の配点とコメントを紹介します。
石野氏の配点とコメント
ハイエンド部門
・Galaxy Z Fold3 5G:10点
Pixel 6 Pro:6点
Xperia PRO-I:6点
Galaxy Z Flip3 5G:2点
AQUOS R6:1点
ミッドレンジ部門
・Mi 11 Lite 5G:10点
OPPO Reno5 A:5点
Redmi Note 9T:5点
AQUOS sense6:3点
motorola edge 20:2点
ハイエンドは「スマートフォンの使い方をいかに変えたか」という評価軸で、やはり「Galaxy Z Fold3 5G」だと思いました。実際、自分でも購入して使っていて、今までスマートフォンでは使わなかったようなサービスを使うようになっています。例えば、「dマガジン」はこれまでiPadで見ていたのが、Galaxyで使うようになりましたし、Zoomもスマートフォンで済むこともあります。そういう意味で、さまざまな可能性を押し広げる1台として、評価しました。
非常に悩んだのが、「Xperia PRO-I」と「Pixel 6 Pro」でした。最初はそれぞれ7:5と採点したのですが、Xperiaの評価はカメラに特化したものだという点を再考し、あくまで“スマートフォン”として評価で、6:6に修正しました。Pixelが、AIを生かすため、チップまで自社設計したことなどを考えると、Xperiaの方が「上」ということはないだろうと考えました。
「Galaxy Z Flip3 5G」と「AQUOS R6」は、フォルダブルを幅広い層に広げることに貢献したという点で、Flipの方に少し多く配点しました。AQUOSも最初に1型センサーを搭載したインパクトが大きかったということで1点を付けました。
ミッドレンジは、OPPOとXiaomiがもともとHuaweiが開拓していた市場に割って入っていった認識です。Xiaomiは単に割って入ったのではなく、OPPOを上回るコストパフォーマンスの高さを見せている点を評価しました。とはいえ、OPPOの「Reno5 A」も、しっかりユーザーのニーズを押さえている印象です。
迷ったのは「Redmi Note 9T」です。同機は、2021年の頭の段階で2万円台を打ち出してきて、“実質1円競争”の先駆けになった端末。なおかつ、Xiaomi初のおサイフ対応ケータイなので、これを評価しないわけにはいかない。
あとは実績と完成度の高さを評価すると「AQUOS senes6」は外せませんので、3点を付けました。「motorola edge 20」もあの軽さ、質感、スペックというバランスの良さを評価して1点を付けました。
山根氏の配点とコメント
ハイエンド部門
・Galaxy Z Fold3 5G:10点
Xperia PRO-I:9点
Galaxy Z Flip3 5G:3点
Pixel 6 Pro:3点
AQUOS R6:0点
ミッドレンジ部門
・Mi 11 Lite 5G:10点
motorola edge 20:9点
OPPO Reno5 A:6点
AQUOS sense6:0点
Redmi Note 9T:0点
Galaxy Z Fold3 5Gは、広い画面を自由自在に、当たり前のように扱えます。今までのフォルダブルでは怖くて使えなかった“雨の中”でも使えます。ということで、ベスト1です。
Xperia PRO-Iは、ハイエンドカメラでありながら、Vlog用途で若いユーザーも取り込める。さらに、スマートフォンのカメラを変える新しい可能性があるところで、評価しました。こちらも10点にしてもいいかな、と悩みましたが、9点です。
Galaxy Z Flip3 5Gは、“縦折りスマホ”を大衆化させたという点で、評価しました。革新的なテクノロジーを使ったという点よりも、スマートフォンの使い方を変えた端末として見ているので3点です。一方、Pixel 6 Proは独自技術により新しい可能性を見せたということで、こちらも3点にしました。
ミッドレンジについては、Mi 11 Lite 5Gがいい意味で“Xiaomiらしくない”デザインと5G対応ということで、断トツの評価です。motorola edge 20も同様に、モトローラらしくないデザインと、高価格帯のスマートフォンにも引けを取らないカメラを備えている点で9点です。OPPO Reno5 Aは、Xiaomiの好敵手ということで3番目。これら3機種つを特に推したいという配点です。