使えなくなるというのはやや語弊がありますが、iPhone 5s以前のモデルは2020年以降順次3G回線が使えなくなるため(終了時期はキャリアによって異なります)、音声通話できなくなることは本当です。携帯電話としてもっとも基本的な機能を失うわけですから、他機種への移行を迫られていると解釈すべきでしょう。
この3G回線が使えなくなる事象は、通信キャリアの3Gサービス終了(3G停波)が原因です。もっとも早く発表を行ったau/KDDIは、2018年11月に「CDMA 1X WIN」の通信サービスを2022年3月末で終了するとしています。その後ドコモも「FOMA」を2026年3月に、ソフトバンクも「W-CDMA」を2024年1月に終了すると発表済ですから、SIMロック解除できずVoLTE(4G回線を利用した音声通話機能)に対応しないiPhone 5sは音声通話できなくなります。iPhone 5とiPhone 5cについても同様です。
iPhone 6から7までのiPhoneは、音声通話の回線を3GかVoLTEで選択できるため、3G停波以降も引き続き使用できます。ただし、iPhone 6はSIMロック解除できないモデルですから、VoLTEに対応したSIMカードを利用しなければ3G停波の影響を受けることになります(MVNOが扱うau回線向けSIMには一部VoLTE非対応のものがある)。
ところで、4G/LTEに非対応のiPhone 4Sは、3G停波により音声通話だけでなくデータ通信も利用できなくなります。iPhone 4SはシステムアップデートのサポートもiOS 9で終了していますから、3G停波以降は引退させるかWi-Fi環境でアプリを利用するだけの端末になると理解しましょう。