ここ最近アップルが有機ELディスプレイを搭載したiPadを開発中との噂が相次ぎながらも、「2022年内には発売されない」との有名アナリスト予測もありました。それを裏付けつつも、2024年には有機EL版iPadが登場するかもしれないとのサプライチェーン情報が届けられています。
韓国の電子産業専門誌The Elecによると、アップルとサムスンは「10.86インチの有機EL搭載iPad」開発プロジェクトで協力していたものの、これは第3四半期に中止されたとのこと。アップルは従来のシングルスタック(一層)構造ではなく、発光層が2つあるツースタック・タンデム構造パネルを求めていたと伝えられています。
ツースタック・タンデム構造とは、赤、緑、青の発光層を2段重ねにして、最大で2倍の輝度を持つディスプレイを実現できるというもの。しかしサムスンは適切な価格で(アップルが支払える価格で)この技術に基づくパネルを製造できなかったとのことです。
これまでにも「サムスンが将来のiPad Air(画面サイズは10.86インチ)用ディスプレイを開発している」との噂は複数の情報源が伝えてきたことですが、いずれもアップルの厳しいコストと品質要求を満たせないことで躓いているとの見解は共通しています。
これらは現世代の製造施設での限界にすぎず、次世代のOLED(2200×2500ミリ)製造プロセスならクリアできることが示唆されています。そして「アップルから十分な量の注文を確保」できれば投資が可能となり、(2022年の)第3四半期中には必要な機器の発注を開始できるとのこと。その機器は2023年には納品される可能性が高く、2024年には有機EL搭載iPadが発売されるかもしれないとの見通しです。
以前のiPad Proには従来型のLEDバックライトを用いたIPS液晶パネルが採用されていました。それがM1搭載12.9インチiPad Pro(2021)ではバックライトが微細なミニLEDに替えられ、2596もの区画ごとに明るさを制御(ローカルディミング)できるようになっています。
アップルの大型ディスプレイ付き製品(Mac用の外付けモニターを含む)は、短期的にはミニLED方式となる一方で、長期的には有機ELに原理が近い(バックに発光源がなく、赤緑青の素子が自発光する)マイクロLED画面に移行すると予想されています。
しかし、不確かな要因が2つ。1つは、マイクロLED搭載のiPadがいつ登場するのか、ということ。この技術は開発の初期段階にあり、まずApple Watchに搭載される可能性が高いほか、噂のAR/VRヘッドセットにも採用されるとの噂もあります。これらはパネルが小さいため実用化のハードルも低いと思われますが、iPadやMacBookのような大画面にできるほど技術が成熟するまでには何年もかかる可能性があります。
2つ目はiPadがミニLEDから直接マイクロLEDに移行するのか、それとも間に有機ELモデルを挟むのかということです。すでにアップル製品としてはiPhoneやApple Watchに有機EL画面が採用されており、技術的にもコスト的にもiPadへの搭載は難しくないと思われますが、もともとミニLED採用は有機ELの供給をほぼサムスン一社に依存している状況を解消する意図も含まれていたはず。
どんなディスプレイ技術が採用されたとしても、ユーザーにとっては「お手ごろ価格で見やすい画面」なら問題はないでしょう。現行の最大サイズ12.9インチを超える15インチiPadの噂も気になるところです。
Source:The Elec
via:9to5Mac
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