初めてスマートフォンやタブレットを触る人に使い方を教えようとすると、いかに自分がこの手の操作に慣れきっていたかを思い知らされます。ロックを解除するのにスワイプしたり、電話に出るのにタップしたり、そんなスマホでは当たり前の基本操作も、初心者には教えなければなりません。
私は最近、70歳の義理の母へ、誕生日にスマホをプレゼントしました。彼女にとってはそれが初めてのスマホどころか、パソコン的なものを使う初めての経験でした。現代のパソコンや携帯の世界に誰かを導くのは素晴らしいことでもあり、同時に「これはどうすれば...?」という質問にこの先ずっと毎日答えなければならないのかという恐怖もあります。「どうやって電話をかけるの?」「この音は一体なに?」というような質問は後を絶ちません。
自分がこのような状況に置かれた時はご心配なく。スマホ初心者には基本操作を教えるだけで、大体90%は使えるようになります。それ以外の上級テクはそれぞれの必要に応じて徐々に学んでいけばいいのです。
スマホの設定をしてあげる
事前にできる設定はしておいて、それから必要であれば後でそれを見せましょう。電話をかけたり、アプリをダウンロードしたりするやり方は、おそらく目の前で見せながらデモをするのが一番です。
例えば、SIMカードを入れ、GmailやiTunesのアカウントを設定し、スクリーンの自動ロックをオンにし、基本的なアプリをインストールします。AndroidやiOSのスタートアップ画面は、新しいデバイスの場合は1つずつ設定をしながら順に進められるよう便利にできています(古いスマホをあげる場合はリセットしてから渡しましょう)。中でも頭に入れておきたいポイントがいくつかあります。
大事なショートカットを設定する
スマホの設定を手伝っているくらいですから、その人が日頃使いそうなアプリは大体わかるでしょう。そのようなアプリがホーム画面や画面の真ん中に無い場合は、移動して使いやすい位置に持ってきておきましょう。
ブラウザ、連絡先、カメラ、写真、カレンダー、マップ、メールなどは、誰にとっても明らかに大事でよく使うアプリです。私は義理のお母さんがスマホで一番使いそうな機能が電話をかけることだったので、重要な連絡先のショートカットも作りました。
すべてのボタンにどのような機能があるのか見せる
この世には2種類の人間がいます。どんなボタンでもすぐに押したがる人と、どのボタンを押せばいいのかすぐに聞く人です。今回は年配の人に設定をしてあげるという進め方をしていますが、赤ちゃんや幼児は大抵前者です(ボタンを押すだけでなく、叩いたり、かじったりして、どうなるかを学んでいきます)。年配の人は、ボタンをめちゃくちゃに押したりすると、高級なテクノロジーを壊してしまわないか心配なので、より慎重です。
Androidでは、ホーム、戻る、メニュー、検索などのボタンのセットを追加することもできます。ボタンの使い方を教える時はデモをしてみせましょう。例えば、「この戻る矢印を押すと、直前の画面やブラウザのウェブページに行くよ」「このボタンを2回続けて押すと、今まで開いたアプリをすべて見ることができるよ」といった感じです。
実際の操作とアプリの使い方を教える
スワイプ、タップ、長押しなどは、今までタッチ画面のデバイスを使ったことがない人にとっては、やったことのない操作です。スクリーン間の移動の仕方、アプリの切り替え方、通知画面をスワイプダウンする、タッチ&ドラッグで移動させるなどの操作方法は、デモをしながら教える必要があるでしょう。
以下のビルトインのアプリの操作は、間違いなく教えておいた方がいいです。
メールでウェブページのURLを送ったり、Facebookなどで共有したりする方法など、人によって必要そうなものがあればそれも教えましょう。
やらなけらばならないことは山ほどありますが、初めて扱うデバイスですから慣れたり覚えたりするのは徐々にです。忍耐強く待ちましょう。
Melanie Pinola(原文/訳:的野裕子)
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