(ブルームバーグ): 韓国のサムスン電子が27日発表した2021年10-12月(第4四半期)の利益はアナリスト予想を下回った。従業員に特別ボーナスを支給したことや、半導体とディスプレーの先進生産技術への投資拡大が響いた。
発表資料によると、純利益は10兆6400億ウォン(約1兆170億円)に増加。ブルームバーグがまとめたアナリスト予想平均は11兆1000億ウォンだった。サムスンは今月の暫定決算で営業利益が50%余り増加したと発表していた。同社は昨年12月後半に従業員に特別ボーナスを支給した。売上高は4四半期連続で過去最高となった。
サムスンは年内を通じた持続的な同社製半導体需要に楽観的見方を示しており、最新技術の開発を加速させて生産を拡大するために投資を進めている。メモリーとファウンドリー(受託生産)部門では、いずれもASMLホールディングの高価格のEUV(極端紫外線)露光装置への需要がさらに増加する見通しだ。
ASMLは半導体確保に「日々格闘」、世界的な供給不足が打撃
サムスンの各事業は需要増加の恩恵を受けているものの、経費も増えて収益性が損なわれている。例えばモバイル事業では、売上高は増加したがマーケティング費用が利益に影響を及ぼした。ファウンドリー事業の売上高は過去最高となったが、新たな設備のコストによって利益が押し下げられた。
2021年の設備投資は48兆2000億ウォンで、そのうち43兆6000億ウォンが半導体向けだった。サムスンのチップ向け設備投資は現在のレートに基づと363億ドル。台湾積体電路製造(TSMC)は300億ドルだった。
原題:Samsung Profit Misses After More Spending on Workers, Tech (1)
(c)2022 Bloomberg L.P.
Sohee Kim
最終更新:Bloomberg