パナソニックは31日、2021年10月に社内分社で発足した「空質空調社」の事業戦略について説明。エアコンや換気機器などの新製品を発表し、同社の道浦正治社長が事業の方向性や販売目標などを示した。
パナソニックグループでは、エアコン「エオリア」などを含む空調事業と、換気扇や空気清浄機などを展開してきた空質事業が、これまで別組織で展開されてきた。新しい空質空調社の発足により、パナソニックにおいて初めて、歴史の異なる事業会社と事業部門が融合する形となった。空質空調社の売上高は約7,000億円で、構成は日本が53%、海外が47%。
空質空調社では、ナノイーXやジアイーノといった「空気浄化」、ロータリー技術や高効率ブラシレスモーターなどのデバイスを軸にした「省エネ」、遠心破砕加湿や水浄化といった「調湿・水浄化」、空質や人などの「センシング」の4つの分野において、独自の付加価値を提供するとしている。ブランドスローガンは「空気から、未来を変える。」。
パナソニック 空質空調社 道浦正治社長日本国内における取り組みとしては、2021年11月より換気加湿機能を備えた家庭用エアコン「エオリア LX」を製品化したほか、2022年4月には、次亜塩素酸発生機と新ナノイーXを搭載した業務用の空質空調連携システムを発売予定。このシステムでは、換気の際にエアコンで暖めた空気をそのまま外へ出すのではなく熱交換気扇を介することで、空調の負担を減らして省エネ化。さらに除菌や脱臭、加湿の機能も連携して空気質をトータルで管理する。また、ナノイーXやジアイーノを搭載した製品や、低GWP冷媒製品の拡大も予定している。
給水なしで加湿や換気もできるエアコン「エオリア LX」業務用の「天井埋込形ジアイーノ FY-350JCD1」業務用エアコン4方向天井カセット形室内機 CS-P80U7H今後のシステム商品開発の方向性としては、従来の個別技術開発に加え、機器同士が連携するシステム開発を強化。単品の技術だけではできなかった価値を提供するとしている。
販売目標については、2021年度の7,190億円から、2025年度は1兆円(年平均成長率8.6%)を目指す。主要拠点での研究開発や製造などに対し、2025年度までに1,000億円規模の投資を計画している。
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