数年前まで、電車の車内でアンテナを伸ばし、スマホでワンセグのテレビを視聴する人をちらほら見かけたはず。ところが、いまや電車内でスマホを使いワンセグを視聴する人はほとんどいません。これは、スマホがワンセグ機能を搭載しなくなったためで、そこにはNHK受信契約についてのある裁判が大きく影響しているのでした。
ワンセグ付きスマホが市場から消えた衝撃の理由の画像はこちら >>ワンセグ付きスマホのNHK受信契約
ワンセグは、地上波テレビがデジタル化(地デジ化)する際に新たに設けられた仕組みで、地デジ各局が放送するチャンネルの一部分を使い、スマホやカーナビ向けに送信するものです。ワンセグという名前は、地デジチャンネルを13の「セグメント」に分割した際のひとつを利用することからくる略称です。
2006年の地デジ放送開始後は、携帯電話のワンセグ機能は各社とも必須とも呼べるものでした。スマホ時代に入っても、ワンセグ機能は多くのモデルに搭載されてきましたが、ここ2年ほどでワンセグ機能搭載モデルが激減。いまでは、ワンセグが受信できるスマホはシニア向けなどごく一部に限られてしまいます。
ワンセグ機能がスマホから削られた理由としては「テレビの仕様が各国バラバラであるためグローバルモデルでは対応しづらい」「本体外側にアンテナが必要で画面の大型化に不利」といった理由も考えられます。しかし、それ以上に大きな影響を受けたのが、ワンセグ機器にもNHK受信契約が必要と裁判で確定してしまったことです。
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