ドコモのエコノミーMVNO「トーンモバイル for docomo」の新料金プラン「TONE for iPhone」がお披露目された
ジュニア世代の最適解に
トーンモバイル for docomoは、フリービットグループのトーンライフスタイル社が提供するサービスです。フリービットはこれまで、低廉な料金プランで中学生、高校生の安心と安全に配慮した見守りサービスを展開してきました。トーンモバイル for docomoも、子どもの年齢に合わせてAIが見守る機能などを搭載しています。登壇した石田社長は「塾通いを始める子ども、中学生、高校生と幅広いジュニア世代の最適解として提供していきたい」と意気込みます。
今回発表したiPhone専用の料金プラン「TONE for iPhone」は、子どものiPhoneにSIMを挿入して専用アプリをインストールするだけで、子どもの見守りサービスを利用開始できます。iPhoneはドコモショップで新規購入できるほか、持ち込んだ中古のiPhoneにも対応。対象となる端末はiPhone 6s以降で、かつドコモ回線が使えること(ドコモ用端末か、SIMフリー端末か、SIMロック解除済み端末)が条件となります。全国のドコモショップでは、新品・中古のiPhoneを問わず、初期設定サポートにも対応します。
TONE for iPhoneの料金プランは以下の通り。基本料金は1,100円で、これには動画以外のインターネット使い放題+音声通話+TONE IP電話が含まれます(ユニバーサルサービス料/通話料等は別途)。オプションとして、家族向け見守りサービス「TONEファミリー」を月額308円で2アカウントまで使用可能(最大6カ月は月額料金無料)。このほか、1GBにつき370円の動画チケットを購入すれば、高速通信でも動画を視聴できます。ちなみに、毎月の支払い100円につき1ポイントのdポイントが貯まる仕組みです。
子どもの見守りサービスは、どのような内容なのでしょうか。「ジオフェンス」では、子どもの位置情報や移動状況を把握できます。Webフィルタリング機能、アプリの利用時間制限なんて機能も。LINE、Facebook、Instagram、TwitterなどのSNSは、個別に制限する / しないを選択できます。このほか、不適切な写真の撮影をオンデバイスで規制する「TONEカメラ」により、自画撮り被害を未然に防止。危険な歩きスマホや自転車スマホを警告する機能も実装します。家族を見守るこれらのサービスは、統合アプリ「Oneファミリー」によって実現します。
未成年者がインターネットトラブルに巻き込まれるケースが多発していることから、内閣府では「青少年保護に関する政府計画」の策定を進めています。そのことを念頭に、石田社長は「トーンモバイルでは政府計画にも先行対応してきました。TONE for iPhoneは、iPhoneを持ちたいお子さま、iPhoneを持たせるのは心配という保護者、どちらのニーズにも応えられるサービスになっています」とアピールしました。
トーンモバイルを卒業してドコモに移行しても構わない
発表会の後半、メディアからの質問に石田社長が回答しました。
ドコモのエコノミーMVNOとしてサービスを提供すると、ドコモにインセンティブを支払うデメリットが生じるのでは、という質問には「我々としてはターゲットが絞られていること、また(ドコモに)やっていただく内容も考え、合理的な判断をしました。ポジティブに捉えています」と回答。トーンモバイルを卒業した子どもたちが、そのままドコモに流出するのでは、という懸念には「そこをターゲット層にしていますし、言ってみれば上場企業の社長である私も、このサービスを使って(満足して)います」。ドコモに巣立った子どもたちが、将来、トーンモバイルのシニア向けサービスに戻ってきてくれる可能性もある、と笑顔を見せました。
現行の料金プランと料金差が生じることについては、「現在ご利用いただいているお客様の料金プランを、できるだけ早期に値下げします」。トーンモバイル for docomoの提供にあたり新会社を立ち上げた理由については「ひとつは、dアカウントのサービスにログインする方法などに関して、レギュレーションに沿ったため」と回答。今後、トーンライフスタイルでは5G時代に新しいライフスタイルを提供することに特化していく、と説明します。
多くのMVNOがあるなか、どうしてトーンモバイルがドコモからエコノミーMVNOに誘われたのか、という質問には「おそらく、トーンモバイルはずっとドコモ回線を使用してきたこと、またドコモ回線を使ったMVNEのサービスも提供してきたことがあると思います」。
料金プランの実質的な値下げを実現できた背景については、「ドコモ回線の卸値が下がってきたこと、またコア技術であるキャリアグレードファイアウォールという仕組みにある程度の規模ができたことでコスト削減できたため」と回答しています。
近藤謙太郎
こんどうけんたろう1977年生まれ、早稲田大学卒業。出版社勤務を経て、フリーランスとして独立。通信業界やデジタル業界を中心に活動しており、最近はスポーツ分野やヘルスケア分野にも出没するように。日本各地、遠方の取材も大好き。趣味はカメラ、旅行、楽器の演奏など。動画の撮影と編集も楽しくなってきた。
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