ZEPETOで作成した画像
ZEPETOの特徴は、なんといってもアバターのかわいらしさです。自分の顔に似せたり、まったく違うキャラクターにしたり、細かく調整して作れます。さらに、髪形や服、小物なども豊富。ZEPETOにはクリエイターがアイテムを作って販売する「ZEPETO Studio」もあり、流行のアイテムからニッチなデザインまで、好みのアイテムが手に入ります。
有名ブランドとのコラボ企画も。たとえばDisneyは、「リトル・マーメイド」や「くまのプーさん」などの人気作品をテーマにしたアイテムを販売しています。NIKEはシャツやスニーカーなどのアイテム、ラルフ・ローレンは洋服のほか、ラルフローレンのショップをワールド内に設置するなど積極的に参入。ディオールはメイクアップを提供しています。
韓国では、K-POPアーティストが所属する事務所や企業がNAVER Zに投資していることもあり、K-POPとのコラボ企画も多数。K-POPアイドルのBLACKPINKやTWICEは、ZEPETOのアバターを使ったミュージックビデオを公開しています。
子どもが利用するときの注意点
ZEPETOの機能は大きく2つあります。ひとつは、かわいいアバターを作ってポーズやダンスをさせ、その画像や動画を保存したり、SNSに公開したりすること。お絵描きや着せ替えの楽しさがあり、若い女性から人気を集めるのもよくわかります。
もうひとつは、ワールドでのユーザーとの交流です。いろいろなワールドで遊んでいる間に知り合ったユーザーと、チャット、音声、メッセージで交流できます。自慢のアバターを見せあったり、アバターのキャラクターになりきったりして会話します。
どちらも楽しいこと間違いなしの機能ですが、青少年が利用する場合には注意すべきポイントでもあります。
まずはアイテム課金について。ZEPETOは無料で遊べるアプリではあるものの、アイテムを購入するには専用の通貨が必要です。魅力的なアイテムは有料のものが多く、服に合わせて靴も欲しい、帽子もかぶりたい――などと際限なく欲しくなります。
ユーザーとの交流も、悪い大人と出会う可能性があります。2021年11月には、愛知県の男性が小学1年生の女児に、ZEPETOのメッセージ機能で裸の写真を送らせた疑いで逮捕されました。ある女性ユーザーは、「ワールドで知り合った女子とつながったら、すぐにメッセージが来た。幼い女の子の独り言を音声で流している男児もいた。あまりにも無防備で心配になった」と話します。
ZEPETOは、国内では特に年齢制限なく利用できます。LINEなどで認証を行えば、仮に10歳などと年齢を偽ってもアカウントが作れて、ワールドに入ることも可能。いずれ年齢制限や機能制限が加わるかもしれませんが、注意しておきたいところです。
課金については、お子さんのスマホにフィルタリングを設定することで防げます。出会いに関しては、知らない人と交流しないことを約束し、ZEPETOの設定でメッセージを受け取れないように設定しましょう。保護者が気を付けるところとしては、「[保護者用]ZEPETOについてのお知らせ」が参考になります。
こうした問題は、ZEPETOに限ったことではありません。ゲーム課金やSNSでの出会いについては注意している保護者が多いと思いますが、今後はメタバースの世界にも目を配る必要があります。未来ある子どもたちが仮想世界の可能性を存分に楽しめるように、大人が適切に管理してあげましょう。
著者 : 鈴木朋子
すずきともこITジャーナリスト・スマホ安全アドバイザー。SNSやスマホなど、身近なITに関する記事を執筆。10代のスマホカルチャーに詳しく、女子高生とプリクラにも出かける。趣味はへんてこかわいいiPhoneケース集め。著書は「親子で学ぶスマホとネットを安心に使う本」(技術評論社)など20冊を超える。
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