mobilephones
ブログ

Vlog特化の結果手に入れた、新しいカメラの作法。ソニー「ZV-E10」が発表

沿って mobilephones 17/07/2022 824 ビュー

これは…衝撃的なカメラかもしれないぞ。

ソニーから、APS-Cセンサーの新型ミラーレスカメラ「ZV-E10」が発表されました。Vlog特化カメラである「ZV-1」の後継となるモデルです。発売日は2021年9月17日(金)。オープン価格ですが、本体は想定価格7万8000円前後、レンズキット(ZV-E10L)が想定価格8万9000円とのこと。

ZV-1との大きな違いは、センサーサイズがAPS-Cになったこととレンズ交換が可能になった点。画質の追求と、Eマウント資産を活かせるVlogカメラといえますね。…ですが、そう簡単な違いで理解った気になれるカメラではない、謎の異質さをも感じました。このカメラ、何かが違うッ!

カラバリはホワイトとブラック。キットレンズはパワーズーム搭載の「E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS」。

さすがZV-1のお兄さん!

試写とレビューは後日お届けするので、ZV-1やα6x00シリーズとの比較を中心に紹介していきます。グリップが深くなったことで、ホールド感は圧倒的に向上。キットレンズなら重量もそれほど感じません。

基本スペックは、有効画素数2420万画素のExmor CMOSセンサーと、BIONZ X+画像処理をサポートするフロントエンドLSI。ISOは100-51200、リアルタイムAF搭載。電子手ブレに対応し、動画時はより強力なアクティブ手ブレが使えます。動画の最大画質は4K30p。

天面。Eマウントなのにプログラムダイヤルがないのが衝撃的ですね…! 背景ぼけボタンは継続し、モードボタンに代わって「静止画 / 動画 / S&Q切り替えボタン」が搭載されました。このボタン、本機の要になる気がするので後ほど触れますね。

背面。Vlog機には必須のバリアングルモニター。

左側面。待望のヘッドフォン端子搭載! ZV-1では端子類は右側にまとまっていましたね。

バリアングルモニター展開時。ホワイトモデルはモニター裏側の本体カラーも白になって統一感が生まれました。

ウィンドスクリーンを外した状態。3つの指向性カプセルマイクは継承し、マイクの内部構造が見直され集音効率が向上しています。

ここからはブラックカラーとα6400を比較していきます。同じAPS-Cセンサーでも一回り小ぶりですね。グリップの素材も違う。

天面。EVFレスのコンパクトさが活きている。プログラムダイヤルの有無も大きい。

Vlog特化の結果手に入れた、新しいカメラの作法。ソニー「ZV-E10」が発表

左側面。カバー部分の剛性はやはりα6400の方が頼もしい。ストラップを取り付ける金具部分も違っています。

右側面。グリップの形状はα6400の方がエルゴノミック。とはいえZV-E10にはファインダーがないため、構え方からして違ってきます。

新しいカメラのお作法を提示する、モードボタンの存在

ZV-1ゆずりのVlog性能と、α6x00ゆずりの画質性能。これらを備えているのがZV-E10です。スチルについてはシャッター音もメカくて心地良い。しっかり「カシャッ」と鳴ります。

でも、ZV-E10を使っていると「これ、合ってるのか…?」な気持ちになってくる。その理由が、モードボタンに取って代わった静止画 / 動画 / S&Q切り替えボタンの存在です。

コレは押すごとにスチル→動画→スロー撮影→スチル…と、3種類の撮影方法を切り替えるボタン。コイツはある意味で、プログラムダイヤルをはじめ旧来的なカメラの操作方法を変えてしまってるんです。

押すとこんな風にモードが変わります。重要なのは、スチル、動画、スローとそれぞれで撮影設定を個別に残しておける点です。スチルはPモードで、動画はマニュアルで取りたい場合、それぞれの撮影モードで個別に設定を残しておけば良いわけですね。ZV-1のモードボタンは、押してからスチルor動画を選択→PやAモードの選択と階層を潜るUIでしたが、そこが大きく変わりました。

なので、スチル、動画、スロー、これら3つの設定を並列に見るような感覚になります。わりと不思議な感覚で、例えばスチル撮影をしながら「Pモードから絞り優先にしたい」と思った場合、ファンクションメニューから設定することになる。

右下のPを選択し、ダイヤルを回して絞りモードにするわけです。同じことが動画撮影やスローにも言えますが…この操作感、プログラムダイヤルに慣れてるとかなり違和感というか、手間です。富士フイルムのようにプログラムダイヤルの代わりにISOやシャッタースピードダイヤルで操作するカメラもありますが、それともまた違う感じ。

Pや絞り、シャッター優先などを瞬時に切り替えるっていう、ある種お決まりだったカメラの操作性が本機にはないんですね。その代わり、スチルも動画も同じような比率で触れるようにしてある。これは、カメラに慣れている人からすると「直感的に操作できない!」という気持ちになりつつも、スマホのようなカメラも動画も同レベルに扱うデバイスに慣れている人からすると、むしろスっと入る操作感かも…?

ZV-1の頃のモードボタンはまだいにしえのカメラ操作を踏襲していましたが、ZV-E10になってそこがめっちゃ割り切られたように感じます。でも、このカメラを使う人や、このカメラで撮るようなシーンでは、こっちのUIの方がハマるのかもしれない。これ、すごく挑戦的なデザインだと思いますよ。

新しいカメラ系統樹が始まるかもしれない

有能シューティンググリップ「GP-VPT2BT」との相性も良く、デスクに置いてのWebカメラ運用も良さげ。単焦点レンズにすればよりボケも楽しめます。VlogカメラってWebカメラ運用との相性も良いですよね。

そう、Vlogカメラなんですよ、これは。でも画質やスペックはミラーレスのそれであり、歴代のαたちのような使い方を想定してしまう。してしまうけど、旧来的な使い方ではZV-E10のポテンシャルを発揮しきれない気がする。だって操作性だけならいわゆるクラシックなスタイルの方が良いんだもん。

ZV-E10、奥が深いカメラだと思います。割り切ったUIがもたらす新しい風のようなものをビシバシ感じました。みんなはこのカメラ、どう使いたい? どう撮りたい?

300mmつけたクソデカVlogなんてこともしてみたい? 電子手ブレを信じろ!

Photos: ヤマダユウス型Source: ソニー

関連記事

iPhone12シリーズ、全世界のスマホ売上の35%以上を占める~2021Q2

ZTEの折りたたみ型ガラホ「CYMBAL-T」は日本でも発売してほしい!