韓国のサムスン電子が、新型のモバイル向け高級プロセッサ(SoC)「Exynos 2200」を海外発表しました。
以前よりウワサとなっていた、米国AMDと共同開発したGPUを搭載。さらに同GPUによりハードウェアレイトレーシング処理に対応するなど、見どころの多い製品となっています。サムスンはこれまでも、自社設計のモバイル向けプロセッサとして「Exynosシリーズ」を展開してきました。そしてスマートフォンやタブレットといった製品では、モデルや投入市場によって、米国クアルコムのプロセッサ「Snapdragonシリーズ」とExynosとを切り替えて採用しています。Exynos 2200の最大の特徴は、先述のようにAMDと共同開発したGPU「Xclipse GPU」を搭載していること。これはAMDの最新アーキテクチャ「RDNA 2」を採用しており、高いパフォーマンスを実現しています。
さらに現実世界のような光の反射を表現するレイトレーシングや、GPU処理を効率化しフレームレートを向上させる「可変レートシェーディング(VRS)」に対応するなど、いわゆるPCやゲーム機レベルの高度かつ高速なグラフィック処理を提供できる点も特徴です。CPU部の基本仕様としては、フラッグシップコアとなる「Cortex-X2」を1基、ビックコアの「Cortex-A710」を3基、リトルコア「Cortex-A510」を4基搭載。また、2億画素のイメージセンサーにも対応した画像処理プロセッサ「Isocell HP1」を組み込んでいます。さらに、半導体の製造世代を示す製造プロセスには最先端となる4nmのEUVプロセスが利用されます。
このExynos 2200はすでに量産が開始されており、サムスンの次期フラッグシップスマートフォン「Galaxy S22シリーズ」への採用が期待されています。なおGalaxy Sシリーズは、主に地域により、ExynosシリーズとSnapdragonを分けて搭載しており、日本ではSnapdragon搭載モデルでした。
これまではExynosとSnapdragonの性能差が小さかったことから、どちらのプロセッサが搭載されているかはあまり大きなトピックではなかったのですが、しかしExynos 2200ではレイトレーシング対応をはじめ、GPU部に独自の機能を備えており、従来と比べて機能差が顕著となっています。
となると気になるのが、Galaxy S22シリーズに搭載された場合、そして日本向けモデルではどちらのプロセッサが搭載されるのかという点。また、日本でExynos 2200搭載スマートフォンが投入される場合、別ブランディングや別モデルとして用意されるのか、といった点も気になるところ。
そういった点では、日本のGalaxyファンにとっても大いに注目される製品と呼べそうです。Source: Samsung