もう一歩、完璧なスマートウォッチまであともう一歩!
スマートウォッチの使い道は様々です。時間の確認はもちろん電話、天気、予定の確認など。そんななか、健康管理をメインに使用しているユーザーはどれくらいいるのでしょうか?サムスン(Samsung)が先日発売したGalaxy Watch Active 2を、米GizmodoのVictoria Songがレビューしてくれました。
私が先日Galaxy Watch Active 2(以下Active 2)を手にした時は、ワクワクの気持ちでいっぱいでした。先日のハンズオン記事では、いくつかの機能について紹介をしました。Active 2の見た目はクールで、充実したアプリ、数日間使用可能なバッテリーを備えています。値段もお手頃で今回LTEモデルも登場しました。とても魅力的なスマートウォッチなのですが、1つだけ問題があります。それは、ヘルストラッキング機能です。
Samsung Galaxy Watch Active2
これは何?:Samsung Galaxy Watch Activeの後継機価格:40mmが280ドル(約29,900円) 44mmが300ドル(約32,000円)。LTEモデルは携帯キャリア会社により異なる。好きなところ:見た目よし、My Style機能が楽しい、前機種の心拍センサー問題は解消、バッテリーの持ちもよし。ほぼ完璧なスマートウォッチ。好きじゃないところ:歩数測定とGPS機能は全然ダメ。
歩数計とGPSの精度が改善されていない
初代Galaxy Watch Activeのヘルストラッキング機能はひどいものでした。心拍センサーは不安定で、歩数を含め正確な測定値を確認できなかったのです。歩数計と比較したところ、20%ほどの差が出てしまったくらいです。Samsungによると、8つの心拍LEDセンサーを搭載したActive 2の場合、問題は解消され、より正確な測定が可能になったとのことですが...。もしこれが本当なら大きな進化です。
スマートウォッチを購入する理由の一つとして、簡単に手首で情報が確認できるミニスマホとして購入している人は多いわけですが、健康管理をきっかけに購入する人も少なくありません。Samsungは、この分野で良いアイデアを持っているはずですが、正確さに関しては欠けている部分がありました。
私が1週間のActive 2の使用テストを終えて分かったことは、Samsungが述べていた「ヘルストラッキング機能が正確に測定できるようになった。」は、半分本当だったということです。実際、新しい心拍センサーが大きな役割を果たし、正確かつ信頼性のあるものに進化していました。心拍数測定の精度に関しては、他社のスマートウォッチと比較したところ同等の結果でした。ですが、歩数測定とGPS機能にはまだ改善が必要だということがよく分かりました。
私はActive 2とApple Watch Series 5(以下Series 5)を身に付けニューヨークのリトル・イタリー、 トライベッカ、グリニッジ・ヴィレッジを歩き回りました。もちろん、朝起きて夜眠るまで時計は付けたままです。Series 5の記録は、18,322歩、7.6マイル(約12.2Km)、636カロリーを消費。Active 2の記録は、29,934歩、13マイル(約20.9Km)、1032カロリーの消費です。両社のスマートウォッチを比較した結果、歩数では11,000歩以上、距離では6マイル(約9.6Km)の差が出たのです。これはよくない結果ですね。近年のスマートウォッチはより高い精度、正確さを目指しているだけに、私はこの結果にかなりショックを受けました。
私は再び確認の為、Google マップを使って歩いた道を辿り直しました。1日に13マイル(約20.1km)も歩いた自分に何かご褒美をあげてもいいぐらいかと。Google マップで同じ道を辿った結果、歩行距離は5マイル(約8.04Km)ほどでした。
偶然かもしれないと思った私は、次の日も2つの時計を身に付けて歩きました。今回Series 5の記録は12,996歩、5.5マイル(約8.85Km)、559カロリーを消費。Active 2は21,222歩、9.85マイル(約15.85Km)、779カロリーを消費しました。変わらず優れない結果でした。
ヘルストラッキングの問題は、GPSにも悪影響を与えています。試しにランニングアプリ"Map My Run"をスマホにダウンロードして使ってみました。30分のランニングモードでは、2.44マイル(約3.926Km)の走行距離、平均速度は1マイル 12分23秒を記録しました。Active 2の場合、2.79マイル(約4.49Km)の走行距離、平均速度は1マイル10分47秒を記録しました。最後にSeries 5の場合ですが、2.39マイル(約3.846Km)の走行距離、平均速度は1マイル12分22秒を記録しました。たかが0.35マイル(約0.563Km)の違いを指摘することが屁理屈に聞こえるかもしれませんが、トレーニング内容によっては大事な記録といえます。それは、アマチュアやプロランナーにとっても一緒です。
各企業が販売しているスマートウォッチは搭載しているソフトウェアが異なるため、心拍センサーを通してデータを取得する際、多少の誤差は想定できます。歩数では1000歩前後、距離では半マイル、それから不規則な腕の動きを正確に処理できていない可能性もあるようです。
私はさらにApple Watch Series 4 とFitbit Versa 2 を身に付け比較した結果、Series 4の場合は21,520歩、9マイル(約14.48Km)を記録。Fitbit Versa2の場合、2万2687歩、9.3マイル(約14.96Km)を記録しました。この結果が示すように、他社同士のデバイスでも近い結果だったということは、Active 2のトラッキング機能はどうにかして修正をしないといけない状態にいます。
他にもActive 2 を試したユーザーを調べてみたところ、私だけでなく他のユーザーも同じような結果になっていたみたいです。短い距離で発生する不正確なデータは、長距離になるればなるほどより不正確さを増すと思われます。私はSamsungnに製品が正常かどうか問い合わせてみましたが、私が使っているデバイスは故障ではありませんでした。基本的に、Samsungは時計を使ってもらえれば嬉しいわけです。それでユーザーがよりアクティブになるのであれば。
ヘルストラッキング以外はGOOD
すべてにおいてガッカリしているわけではありませんよ?私は、ヘルストラッキング機能以外大好きですから。
新たに採用されたタッチベゼルはとても楽しく画面を操作することができます。物理的な回転ベゼルからデジタル仕様になり、指で画面をスワイプすることができるようになりました。1.4インチのAMOLED(有機EL)スクリーンは、明るく見やすくなっています。独自のTizen OSはWatch OS(Apple Watch)よりもキビキビと動きます。アプリの配列に関しては、Watch OSのごちゃごちゃしたレイアウトよりも、より直感的なインターフェイスであると感じました。
画面は丸型で、四角いデザインを好まないユーザー向けかもしれません。ウォッチフェイスに関しては、サードパーティ製が使えるためApple Watchより多くの盤面が使えます。
私がSamsung のスマートウォッチをレビューするたび、使えるアプリは徐々に増えてきています。Active 2の場合、手首からYouTubeが見れるようになりました。私には必要ありませんが、必要な人はきっといることでしょう。(私はちなみにレシピ動画を試しに見てみました。反応が鈍い時もありましたが、ちゃんと見ることはできました。)腕時計からツイートすることだってできますよ。さらに、NFCを搭載しているのでSamsung Payで買い物もできます。音声アシスタントはBixbyを備えています。(Bixbyはそこまで優れてはいません、ただ正直なところSiriにタイマーのセットをお願いするとかシンプルなものに比べたらそう悪くはないかも。)
My Style はActive 2の新機能。現在はAndroidユーザー限定の機能ですが。この機能は、自分のお気に入りの服などをスマホで撮影すると、服の色合いをベースにオリジナルのウォッチフェイスをカスタマイズしてくれます。私は個人的にコンプリケーション多めのフェイスが好みですが、結婚式やデートにぴったりなデザインではないでしょうか。
バッテリーは心配なさそうです。テストで身につけたところ、1回の充電で3日間持ちました。Fitbitには及びませんが、Series 5よりはだいぶマシな結果です。睡眠トラッキング機能を使用する際も心配する必要はありません。もちろんのことですが、個人の使用頻度やアプリ、LTE通信によってバッテリーの持ち時間は異なります。
ほとんどの機能が良くできています。もしSamsungがヘルストラッキング機能さえ修正すれば、さらに良くなること間違いなしです。また、Automatic activity recognition は、ウォーキングやランニングの際、ワークアウトの操作のし忘れを防止してくれます。
もう一つ、Active 2の新機能として、Running Coachがあります。私はこの機能をかなり気に入っています。ランニングのペースを保つのは難しいものなので、Running Coachは走るペースを常にトラッキングしながらリアルタイムでアドバイスをしてくれるかしこいアシスタント機能です。さらに、走るペースを遅くするべきタイミングや速く走るべきタイミングまで教えてくれます。
ヘルストラッキング機能の不確かな情報を回避するにはワークアウトをあまり使用しない、最終的な歩数記録から数千歩ぶん減らすなどがあります。もしくは、あらかじめ決めた距離を走るならば、ランニングマシーンや他社製のワークアウトアプリ、Google マップ等で事前にルートを検索してプランを練ることをおすすめします。これらの機能は生活を便利にするもので、運動を強制的に与えるものではありません。特に、自分で目標を設定したら、そこに向かって頑張るべきです。
実際のところ、みんなが健康管理を1番の理由としてスマートウォッチを買うわけではありません。健康管理に興味がない人にとって、Active 2は時を刻む時計です。私がこの記事で多少デバイスのことをネガティブに伝えていても、Active 2と先機種で少しお高めのGalaxy Watchはスマートウォッチの購入に適しているといえます。同時に、iPhoneユーザーにとってもおすすめの時計といえます。今までApple Watchをなんらかの理由で購入なかった人には特にです。(iPhoneユーザーの場合、My Style機能が使えないのが欠点です。40mmは280ドル(約29,900円)、そしてもう少し大きめの44mmは300ドル(約32,000円)から購入が可能です。Active 2は、なかなかお手頃価格なスマートウォッチと言えます。(Samsungによると、LTEモデルの価格は未定で契約する携帯キャリア会社によって値段が異なるそうです。)
個人的に、YouTubeとTwitterの機能は喜んで受け入れることができました。あとはMy Style、より正確なActive 2のRunnning Coach。ですが、これらの機能は本当に完璧なスマートウォッチには必要ありません。私は半年以上、ヘルストラッキング機能の改善を心待ちにしてきましたが、次こそアップデートで正確なヘルストラッキング機能がやってくることを祈るばかりです。
まとめ
・美しく、ほぼ完璧なスマートウォッチ。
・1番の問題はヘルストラッキング機能のソフトウェアが改善されていないところ。心拍センサーは改善されているが、歩数測定やGPSによる計測は前機に引き続きひどいもの。
・新しい機能は、写真を撮影してウォッチフェイスをカスタマイズしてくれるMy Style(現在はAndroidユーザーのみ使用可能)、YouTube、Twitter、Running Coach、LTEモデルの登場、8つのセンサーを搭載した新しい心拍センサーと改善された加速度センサー。
・1度の充電で2、3日使用可能なバッテリー。
・お値段は40mmは280ドル(約29,900円)44mmは300ドル(約32,000円)。LTEモデルは携帯キャリア会社により異なります。