私は長らくiPhone SEユーザーでした。理由は単純。スティーブ・ジョブスのクリエーションこそが Apple製品だと思っていて、25年以上Appleをサポート(?)してきた私は、ジョブスのアイディアが抜けて商業的になったApple製品を手にすることに軽い抵抗を感じていたんです。でも、ついにSEをやめるときがやってきたのです。物理的に壊れてしまったので…。
繊細で有名なホームボタンは指紋もプッシュ動作も認識しなくなり(普段からAssistive Touchを使っていましたけど)、スクリーンが浮いてきてしまったんです。容量も全然足りず、写真もほとんど撮れなくなり、SEは「ごめん、頑張ったけどもう逝くね…」と私に訴えてきているようでした。そこで、泣く泣くiPhoneを新たに購入することになったのです。
まぁ、選ぶまでに紆余曲折あったのですが、長くなるのでそこは割愛します。要は、私はXSを町田のソフマップで中古購入し、現代の化石SE→ハイエンドXSユーザーとエクストリーム進化したわけです。
で、いざ手に取ってみたら結構驚くことが多かったので、その数々をまとめてみました。SEユーザーのみなさん、XRやXSやXに変えたら、いいことも悪いことも含めて、こういうビックリを経験することになりますよ〜。
1.画面が大きい!
比べれば一目瞭然。XSは画面がでかいです。SEは「テキストも送れる電話」ですが、XSは「電話もできるミニタブレットコンピュータ」といった感覚。SEユーザーは、片手で持つのが当たり前でしたが、XSではそうはいきません。両手でホールドするのが大前提な大きさ。
持ちやすいか、と言われたら正直持ちにくいです。ただ、片手で持つことを潔く諦めて、両手を使ったら英語キーボードのタイピングが感動レベルでやりやすいです。
一方、日本語フリックだと全く恩恵を感じないどころかやりにくい。手が腱鞘炎になりそうです。必然的に海外の友達とのテキストが多くなり、日本の友達とやりとりするときはキーボード付きiPadでやるようになりました。
きっとiPhone 8くらいから両手で持つことを想定して作っていたんでしょうね。7、8、Xと徐々にスケールアップさせていたらここまでの負担はなかったのかもしれませんが、かなり腕が痛いです。
2.ロック画面のカメラが起動しない!
私はXSを町田のソフマップで買いました。動作に問題なしと聞いていましたが、画面押しでカメラとフラッシュライトを起動させることを知らなかったので、「壊れてる!」と焦りました。まぁ、 3日目くらいにググってホーム画面のカメラアイコンをグッと押すことを知りました。これ、結構便利かも。
3.イヤホンジャックがない!
「いまさら驚いているの?」と言われそうですが、本当に驚きました。そういや、イヤホンジャックがないんですよ。
私はBOSEの有線ノイキャンイヤホンを使っているのですが、使い続けるためには変換アダプタの追加購入を免れません。7と8にはこの変換アダプタが付属したのにXRとXSにはつかないんです。残念すぎる。とても残念です。試しに付属のLightening端子イヤホンを使ってみたのですが、接触は悪いし、耳がパチパチと痛い。物理的に痛い。なにこれ、不具合? 静電気ではなく、電気のパチパチが耳の中で感じられて怖いので1回で使用を中止しました。Appleさん、これはイカんです。
4.サイドボタン押しにくい!
私の使っているケースに問題があるのかもしれませんが、なにせサイドボタンが押しにくいです。アプリをインストールするときに、サイドボタンをダブルクリックする必要があるのですが、なにせ、薄くて大きいのでホールドするのに不安定ですし、クリックするだけなのに腕に変な負荷がかかるんです。
今は全体的に丸みを帯びたフォルムが一般的になっているようですが、SEのように直線の方が断然ボタンは押しやすいと思います。なんでボタンを押すたびに腕が「ピキッ」と言わないといけないのか。Appleさん、これもイカんでしょう。
5.容量がデカイ!
SEは16GBを使っていたのですが、XSは64GBが最低ライン。安心感が全然違います。SEではOSアップデートすらできないほど容量の小ささに悩まされていましたが、今では容量を気にせず写真を撮れますし、アプリも色々インストールできます(あんまり入れないけど)。
だから、たとえば子供と一緒に動物園に行ってもーー
いろんな写真を容量を気にせず撮影できます。
今までは、写真撮影→Google Photoにバックアップ→データを削除してスペース確保する必要がありましたが、今はそんなこと気にしなくても大丈夫。だからほらーー
サイのベスト・ヒップ・ショットも連写した中から選べます。(これがベストなのかは別にして、ね)
6.カメラが綺麗!
私はiPhoneに10万円以上出したくなかったので、XRを買うつもりだったのですが、フラッと立ち寄った町田のソフマップでXRの新品価格とそう変わらないXSの中古を見つけたんですね。Apple製品に明るいギズライターさんたちに「どっちを買おうか迷ってるんだけどアドバイスプリーズ」と言ったら、「XSがいいよ!」と家電レビューで定評がある小暮さんが。小暮さんが言うなら間違い無しなので、その日の内にソフマップ町田店に行って、オブジェクトのポートフォリオも抜群に綺麗と評判のXSを買いました。
結果ですが、満足ですね。本当に最低限の荷物しか持って行きたくない時、特にフォーマルウェアにお飾りバッグみたいな服装の時には本当に助かります。今まではSony RX100-4を持っていないと不安を感じるくらいでしたが、今ではXSあるから何かあっても大丈夫! と思えるくらいになりました。「大丈夫」といったって、仕事で使えるブツ撮りが取れるレベルの大丈夫さなんだから凄い。人物メインの撮影ならXRでも十分だと思いますが、フードとかオークション用とか、レビュー用とか、とにかくオブジェクト撮影をするという方はXSがいいと思います。
とりあえず、驚きはここまで。まぁ、せっかくなので新機能についても触れておきましょう。
フェイスIDは思っていたより便利
なんで便利なのかというと、タイピングしなくていいからです。さっきも言いましたが、XSは画面が大きい分タイピング時の腕負担が半端ありません。なので、顔を「キリ!」っとするだけで(しなくてもいいけど)ロック解除してくれるのはありがたいなと思いました。
アニ文字は地味に楽しいけど魅力は刹那的
アニ文字機能がリリースされた時から、「ぜったい必要ない」と思っていました。でも、以外にも楽しかったです。最初の5分くらいだけ。
昔から絵文字やデコ文字を滅多に使わなかったので、アニ文字は高確率で使わないでしょう。なので、やっぱり最初の予想通り必要のない機能ですが、まぁ、少しは楽しいです。でも、アニ文字が500円オプション機能とかだったら間違いなく外してもらったでしょう。
iPhone SE2が出たら戻りたいか?
カメラのクオリティがXSと同じでサイズだけ違うというなら、SE2にするかもしれません。それくらい日本語フリック入力が大変なんです。英語のキーボード入力がメインならXSがいいなと思います。それと、やっぱりSEの手に収まるフィット感は最高。厚みといい、大きさといい、やっぱり「SEはスマホの到達点」だと今でも思います。他を知ってSEの素晴らしさを再確認した次第です。(一回別れて他の人と付き合ったけど、やっぱり元彼が最高だと気づいたのとたぶん同じパターン)。
XSのカメラには満足していますし、削除していたInstagramだって再インストールして写真を投稿するくらいエンジョイしています。でも、手から滑り落ちそうなくらい大きくて薄く、不安定なXSを持つたびに、SEの「あなたの手中に収まります」的な安心感を恋しく思います。
XSは高額です。私は「高すぎるだろう!」と最初からアウト・オブ・眼中でした。でも、中古スマホに抵抗がないなら、中古マーケットをチェックしてみるといい出会いが待っているかも知れません。
私のXSは画面にすこーし傷が付いていたので、相場よりさらに10パーセントオフになってて9万円ちょいでした。これでも十分高いと思っていますが、自分的には納得の買い物ですし、久しぶりにワクワクするものを手に入れられたとも思っています。気軽にブツ撮りしたいけど値段が引っかかってXRにしようかと思っている人は、中古を視野に入れてみるといいかもしれません。