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M&Aアーカイブス 【ルネサスエレクトロニクス】撤退戦から「反撃の買収戦」に挑む

沿って mobilephones 24/03/2022 1050 ビュー

国産ロジック半導体の「最後の砦」であるルネサスエレクトロニクス<6723>はM&Aで誕生した。しかも、その生い立ちは暗い。平成がスタートした1989年には世界半導体売上高で上位10社中6社が日本企業だったが、2000年には3社に、2020年にはメモリー半導体のキオクシア(旧東芝メモリー)1社が10位に入るだけ。30年余りで日本企業の撤退が相次いだ。その「撤退戦」を引き受けたのがルネサスだった。

「負け組」となった日立と三菱電機の半導体事業を統合

同社は2003年4月に日立製作所<6501>が本体から切り離したシステムLSIやマイコン、DRAM以外のメモリーといった事業と、同じく三菱電機<6503>が切り出したマイコン部門を統合した「ルネサス テクノロジ」として産声をあげる。統合当初の売上高は約7000億円で国内トップ、世界でも米インテル、韓国サムスン電子に次ぐトップ3メーカーとなった。

M&Aアーカイブス 【ルネサスエレクトロニクス】撤退戦から「反撃の買収戦」に挑む

設立当初は日立時代に開発が始まった組み込み機器用32ビットRISC(最小命令セットコンピューター)アーキテクチャーを採用したマイコン「SuperH(SH)」シリーズが大ヒット。1994年にはセガ(現セガサミーホールディングス)<6460>の家庭用テレビゲーム機「セガサターン」や、携帯電話、カーナビゲーションシステム(カーナビ)に採用され、高機能と省消費電力で高い競争力を誇った。

しかし、カーナビ以外では新興の英ARMが開発したARMアーキテクチャーを採用したマイコンにシェアを奪われる。2001年には組み込み機器でのSHシリーズのシェアは6.8%にまで落ち込み、70%近いシェアを獲ったARMの後塵を拝することになった。

さらにはグローバル市場での競争激化により、半導体価格は下落。ルネサスの2006年度売上高は9526億円と1兆円に迫ったが、営業利益はわずか235億円。売上高営業利益率は2.47%と、薄利多売で利益が出ない状態に陥った。

それでもなんとか黒字を保てたのは、自動車と携帯電話向けの半導体が好調だったから。しかし、2008年のリーマン・ショックで「頼みの綱」だった自動車・携帯電話業界からの受注も止まり、2008年度には965億7300万円もの営業赤字に転落する。

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