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自動運転EVはファブレス時代に!中国ではシャオミが有力?

沿って mobilephones 28/10/2022 611 ビュー

スマートフォンメーカーとして知られる中国のXiaomi(小米科技/シャオミ)が、電気自動車(EV)分野への参入を表明した。事業は子会社が運営し、初期投資として100億元(約1,670億円)が投じられるほか、今後10年間で計100億ドル(約1兆900億円)を投資していく計画だ。

新興メーカーが次々と台頭するEVや自動運転分野においては、近年自社工場を持たない「ファブレス」企業への注目が高まっているが、Xiaomiはまさにその好例で、「EV×ファブレス」時代の象徴となり得る存在だ。

この記事では、Xiaomiの取り組みとともに自動車製造業に押し寄せるファブレス化の波について解説していく。

記事の目次

  • ■【まとめ】台頭するファブレス、製造業も変革の時代へ
  • ■Xiaomiの概要
    ファブレス経営で躍進

    Xiaomiは会長兼CEOを務めるLei Jun氏が2010年に創業した。翌年初号機となるAndroidベースのスマートフォンを発売し、携帯電話業界に参入した。米アップルを彷彿とさせるマーケティング手法と、端末価格を低く抑えサービス面で収益を得るビジネス手法がヒットし、業績を大きく伸ばした。

    その後、各種スマートデバイスや電化製品などの開発も本格化させており、IoT時代を強く意識した製品群を展開している。自社開発した電動スクーターを世界各国のシェアサービス事業者に供給するなど、順調に経営多角化を進めている印象だ。

    自動運転EVはファブレス時代に!中国ではシャオミが有力?

    創業わずか10年の新興企業の躍進を支えているのは、保有するテクノロジーとファブレス経営だ。先端テクノロジーを駆使して開発した製品は、基本的に外部に製造委託し供給を受ける方式を採用している。ファブレスにより、設備投資を抑えながらさまざまな開発製品を世に送り出すことができるのだ。

    スマートEVは最大のビジネスチャンス

    Lei氏は、EV分野への参入に対し「スマートEVは今後10年間で最大のビジネスチャンスの1つであり、スマートライフに欠かせない要素。このビジネスに参入することは当然の選択」と話し、本腰を入れる構えを見せている。

    また、同社の武器・利点として、ソフトウェアとハードウェアを統合する豊かな経験や、EVビジネスに適用できる多数のコアテクノロジーの保有、多くのユーザーと結びつくスマートエコシステム、強力なブランドとユーザーベース、豊富な資金源などを挙げた。EVもIoT製品の延長線上にあると捉え、車内における革新的なサービスの提供など新たなユーザーエクスペリエンスの創出などを図っていく可能性が高そうだ。

    スマートフォン事業で培った通信技術やアプリをはじめとした各種サービスは、EVにおいてもそのままコネクテッドサービスとして大きな武器となる。開発する車両が自家用車向けなのかサービス用途なのか、そもそも車体を一から開発するのかとなど不明な点も多いが、電動スクーターのシェアサービスのようにフリート化しやすいシステムを搭載し、カーシェア事業者などをターゲットに据える可能性なども考えられそうだ。

    生産パートナーにも注目

    EV車両の生産も、他の製品同様ファブレスで進められるものと思われる。そこで気になるのが製造先だ。Xiaomiが開発・企画したEVの生産に向け、どの自動車メーカーや部品メーカーと連携するのかといった点に大きな注目が集まる。場合によっては、既存の自動車製造業者以外を選択することも考えられる。

    さらには、将来的な自動運転システムの搭載まで思考を巡らせると、中国企業として百度のアポロプロジェクトに参加するのかどうか―—といった点なども気になるところだ。

    自動車業界に押し寄せるファブレスの波

    こうしたファブレス系では、米アップルの動向にも注目が集まっている。アップルは自動運転技術の開発に注力している点が異なるが、スマートデバイスの開発企業として共通する点は多い。アップルブランドの影響か、アップルカーの生産メーカーをめぐる報道合戦が過熱するほどの人気ぶりだが、「中国のアップル」と称されるXiaomiもこれに追随する可能性がありそうだ。

    【参考】Appleの取り組みについては「Apple Car(アップルカー)最新情報まとめ!自動運転機能は搭載?」も参照。

    特に世界最大の自動車市場を擁する中国がメインステージとなるだけに、業界内外からの注目度は今後さらに高まっていくことが予想される。

    なお、中国ではアポロプロジェクトを推進するIT大手の百度が浙江吉利控股集団(Geely)と合弁を設立し、2024年にもオリジナルの自動運転車を市場化する予定としている。また、配車サービス大手の滴滴出行(Didi Chuxing)は配車サービス専用EVの開発・製造で比亜迪(BYD)と提携している。

    自動車業界においては、こうしたメーカーと新参組の提携はスタンダードなものになりつつある。さらに、台湾FoxconnのEVオープンプラットフォーム「MIH」のように、自動車製造業にイノベーションを起こす試みも出始めている。

    【参考】関連記事としては「中国・百度、自動運転EV量産で4700億円の巨額収益!?オープンソースのアポロの市場化狙う」も参照。

    ■【まとめ】台頭するファブレス、製造業も変革の時代へ

    自動車業界において次々と台頭する自動運転やEV開発企業の多くはファブレスだ。その象徴は米アップルだが、巨大市場をバックボーンとするXiaomiもまた台風の目となりそうだ。

    CASEによる100年に1度の大変革は、自動車製造業にも大きな影響を及ぼす。これは国内も例外ではない。インダストリーにおけるビジネスモデルもまた大きな変革を迫られているようだ。

    【参考】関連記事としては「中国EV戦争、シャオミ参入で混沌&激化!自動運転技術の搭載見据え」も参照。

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