(前回からのつづき)GTCは今年で2回目になる大きなイベントだ。これまでNvidiaは春に大きなイベントを開催し、その後は小さな地域イベントを数多く開催していた。しかしパンデミックの影響で、それが2つの大きなオンラインイベントに発展したのだとEstes氏はVentureBeatのインタビューで語っている。特にCOVID-19のデルタ株問題のため、Nvidiaは秋のGTCでもオンラインのみとすることを決断したらしい。
Nvidiaはイベント終了後にセッションを視聴できるようにするそうだ。Estes氏は来場見込みを20万人と明かしてくれた。
ちなみにミートアップとしてNvidiaはBrainDateと呼ばれるサードパーティのアプリを使ってミーティングをアレンジしている。しかしEstes氏はCOVID-19が盛り返したことで、多くの人が集まることに抵抗を感じていたそうだ。そして時間が経てば、多くの人にとって移動するよりも便利なバーチャルリアリティによるミーティングやイベント、コラボレーションが流行するだろうと予想している。彼は「AI技術は急速に進化しているので、年に1回以上のイベントを開催するのは理にかなっている」とも語っていた。
その他のセッション
OpenAIのチーフサイエンティストであるIlya Sutskever氏は、深層学習の歴史と将来の可能性について語る。スタンフォード大学のコンピュータサイエンス教授であるFei-Fei Li氏は、ヘルスケアの暗い空間を照らすアンビエント・インテリジェンス(スマートなセンサーベースのソリューション)について議論し、Nvidiaのヘルスケア担当副社長であるKimberly Powell氏とのQ&Aに参加する。
Disney Imagineeringの副社長兼テクノロジー・スタジオ・エグゼクティブであるBei Yang氏は、同社がどのように高度な技術を用いてメタバースを「創造」しているかを語る。
Lockheed Martinの主席AIソフトウェア・システムアーキテクトであるShashi Bhushan氏は、「エンジニアのためのメタバース」であるNvidia Omniverseを使って、山火事の予測や消火活動をどのように行っているかを説明する。
BMWの生産計画用デジタルソリューション担当のRoss Krambergar氏は、BMWが製造の柔軟性を高めるための「未来のデジタルツイン工場」のビジョンを実現するため、Nvidia Omniverseをどのように活用しているかを説明する。
St. Jude Children’s Research Hospital(セント・ジュード小児研究病院)の最高情報責任者であるKeith Perry氏は、小児の生命を脅かす病気の治療を進めるためにデータサイエンスをどのように活用したかを説明する。Palo Alto Networksの最高技術責任者であるNir Zuk氏は、サイバーセキュリティのためのAIについて語る。
Nvidiaの機械学習研究ディレクターでカリフォルニア工科大学の教授でもあるAnima Anandkumar氏は、AIモデルにおけるバイアスの測定と軽減に関するパネルに登壇し、AIと科学的コンピューティングの融合における進歩に関するセッションを担当する。
同じくNvidiaのワールドワイドAIイニシアチブ担当副社長であるKeith Strier氏と、スロベニアのデジタルトランスフォーメーション担当大臣であるMark Andrijanič氏は、インフラやデータサイエンティストを含むAIへの投資を各国がどのように行う必要があるかを議論するファイヤーサイドチャットに参加する。
MIT、Amazon Web ServicesのSustainable Data Initiative、Nvidiaの科学者たちは官民のグループがどのようにして気候データを科学者に提供しているかを説明する。
専門家によるパネルディスカッションでは、あらゆる業界の3DクリエーターにとってのUniversal Scene Description(USD)の可能性について語る。このパネルには、PixarでUSDのプロジェクトリーダーを務めるSebastian Grassia氏、Siemensでチーフソリューションアーキテクトを務めるMohsen Rezayat氏、Epic Gamesでシニアプロダクトマネージャーを務めるShawn Dunn氏、Esri R&D Center Zurichでシニアソフトウェア開発者を務めるSimon Haegler氏、CannonDesignで最高技術責任者を務めるHilda Espinal氏、Nvidiaでシニアディスティニーエンジニアを務めるMichael Kass氏が参加する。
Daimler TrucksのCTOであるAxel Gern氏は、自律的な未来に向けたソフトウェア定義のトラックを開発するための戦略、課題、機会について説明する。また、昨春のGTC基調講演でバーチャル空間におけるJensen氏を作成した際に使用した技術を、Nvidiaのグラフィック・ウィザードが公開する予定だ。(次につづく)
【via VentureBeat】 @VentureBeat
【原文】
BRIDGE Members
BRIDGEでは会員制度「BRIDGE Members」を運営しています。会員向けコミュニティ「BRIDGE Tokyo」ではテックニュースやトレンド情報のまとめ、Discord、イベントなどを通じて、スタートアップと読者のみなさんが繋がる場所を提供いたします。登録は無料です。無料メンバー登録