本稿は、6月6〜8日に開催される、Infinity Ventures Summit 2018 Spring in Taipei の取材の一部。
招待制カンファレンス「IVS」で台湾を訪れた。同カンファレンス初の海外開催ということで、セッション内容もディープな日本人向け経営課題の共有というよりはよりグローバルな話題が多く、また、恒例のスタートアップ・ピッチステージ「Launchpad」も半分が台湾スタートアップと普段とは異なる課題に触れることができた。主催運営は大変そうだが、いい意味で国内との違いを感じられる機会になりそうだ。
さて、そんな会場で私は今回も経営者諸兄の話題に耳を傾けたのだが、多く語られていたのは「個人を力づける」時代の到来だ。大きな会社、資本から個人、信用の世界へ。所有よりも共有、お金よりも共感という世界観について問いを投げると、多くのアイデアを語ってくれた。
なかでも面白かったのがファッションテックに関する話題だ。センセーショナルなデビューを果たした「ZOZOSUIT」はこれまでなかった「ヌード寸」というビッグデータをクラウドに上げることに成功した。
人々のサイズがデータ化される世界で何が起こるか。
今年1月に社名とブランドを統一した2012年創業のD2Cアパレル「FABRIC TOKYO(旧ブランドはLaFabric)」の代表取締役、森雄一郎氏に今、ファッションテクノロジーで起こっている興味深い話を聞けたのでみなさんに共有したい。(太字の質問は筆者、回答は全て森氏)
今、ファッションテックではZOZOSUITが話題だ。以前の取材でもテクノロジーによる採寸アイデアを聞いたことがあったが、森さんはその辺りの事情に詳しい。そもそもあの手法を採用したようなスタートアップ事例を知っているか
ボディスキャンして採寸データを集めるという事例は世界的にも珍しい事例になる
FABRIC TOKYOでも実店舗やポップアップを使ってユーザーの採寸をしている。ZOZOSUITで驚いた点は
逆にまだ物足りない点は
どうやってその違和感を埋めるのか
FABRIC TOKYOではこれまでもユーザーの採寸データを使ってファッションサービスを提供してきた。顧客のニーズはどのあたりにあるか
サイズが合わないとか趣味に合わないという余計な心配がないから気持ちよくなってまた買いたくなる。もともと森さんはファッションのD2Cソリューションが強みだった。ZOZO効果もあり、今後、ファッションに関するデータをより集めやすくなる時代がきたとして、何がさらに強みとして積み上がるのか
海外でもユーザーが製品を深く知ることで共感し、ミレニアル世代を中心に輪が広がる仕組みを作ろうとしている事例もみられる
あなたのことを知って『これはいかが』と丁寧に提案してくれる体験がファッションに新しい世界を生み出すのは想像がつくとして、そこでの課題は
ありがとうございました
彼らがロンチした4、5年前、ファッションテクノロジーはひとつのカテゴリを作れるほどのボリューム感はなかった。しかし、ZOZOの放った衝撃でこの分野が大きく動こうとしている。先行者たちが今後、ファッションテックの分野でどのようなポジションを取るのか、大変興味深い。
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